いしがき島星空宣言
わたしたちのふる里いしがき島は、豊かな自然に恵まれています。
満天の星も、わたしたちの祖先に恵みをもたらしました。
人々は、星の動きで時の移ろいを知り、稲や粟の種をまき、くらしを育んできました。
星にまつわる民話(はなし)や古謡(うた)も多く、いしがき島は、星文化の宝庫といえます。
わたしたちの住むいしがき島は北緯24度20分に位置し、全88星座のうち84の星座を観察することができます。
南十字星も宝石のごとくきらめいています。
わたしたちは、満天の星空を大切にし、いしがき島の未来を担う子どもたちに伝えたい。
地球のどこかで同じように星空を見上げる人々と想いを交わしたい。
何よりこの地球という星を大切にしたいと強く願いをこめて。
ここに、いしがき島星空宣言をします。
一 見上げよう、満天の星を
一 伝えよう、星の文化を
一 大切にしよう、美しい星空を
一 未来へ残そう、豊かな自然を
平成18年7月29日
石垣市
2002年に、国立天文台の電波望遠鏡施設(VERA石垣島局)が完成したことをきっかけにして始まった「南の島の星まつり」は、石垣島の星空のすばらしさを島の人々にあらためて感じさせてくれました。
2006年には、大きな望遠鏡で天体観測をしてみたいという市民の声に応え、国立天文台と石垣市は共同して、九州・沖縄で最大の口径105cmの反射望遠鏡をもつ石垣島天文台を建設しました。
望遠鏡の愛称は、公募で「むりかぶし」と名付けられ、市民だけでなく、全国から石垣島を訪ねてくるみなさんに八重山の美ら星を楽しんでいただいています。
石垣市は子どもたちに関心がますます高まる石垣島の星空をとおして、自然を大切にする心や、星文化を伝えようと、2006年に「いしがき島星空宣言」を制定し、その年の7月29、30日におこなわれた「南の島の星まつり」会場で発表しました。
2013年には、国内最大級となる200インチのスクリーンを設置し、国立天文台の最新の研究結果を基に映像化された天体の様子や宇宙の歴史を立体的に表現できる「4D2U(4次元デジタル宇宙)」を導入した「星空学びの部屋」を石垣島天文台施設内に設置しました。
世界水準の星空環境を持っているとされている、この美しい石垣島や八重山諸島の星空が遂に「星空保護区(INTERNATIONAL DARK SKY PLACES)」のダークスカイパークとして2018年3月30日に世界で59番目となる認定を受け、世界中の星空ファンから注目されつつありますが、今後とも星空を守る取り組み、星空文化の普及活動をおこなっていきます。
※星空保護区とは、国際ダークスカイ協会が世界中の非常に優れた星空環境を有する地域を認定し、暗い夜空の保護を推進するプログラムです。